Moto Guzzi(モト・グッツィ)のバイクの特徴とは?

イタリア最古のオートバイメーカー

羽ばたく鷹のエンブレムが特徴の、イタリア最古のバイクメーカーとして知られています。
たまに「モト・グッチ」と書かれることもあるため、初めてこのメーカーの名前を聞くと「グッチってあの…?」と思いがちですが、ファッションブランドのGucci(グッチ)とはスペルが異なり、会社同士の関連性もありません。

モト・グッツィが一番最初に発売したNormaleというレース用のモデルがあるのですが、控えめな金のロゴに暗い緑の塗装が渋くてクラシカルで、かわいいんですよね。モト・グッツィの魅力に「洗練されたデザイン」が上げられることもありますが、第一号のバイクからもそれが感じられます。

空冷Vツインエンジン一筋

ハーレーやドゥカティも空冷Vツインを搭載したモデルが人気を集めており、このエンジンそのものは珍しいものではないのですが、モト・グッツィはほぼすべてのモデルに空冷Vツインエンジンを搭載しており、空冷Vツインひとすじでブランドイメージを築き上げてきたメーカーでもあります。

また、驚くことに1967年に空冷Vツインエンジンを搭載してから今まで、エンジンのベースとなる設計にほぼ変更がないそうです。初期モデルのパーツを新しいモデルにつけたり、逆に新しいモデルのパーツを初期モデルに使えたりもできるということですね。

また、縦置きのV型空冷2気筒エンジンを世界で唯一製造しているメーカーという点も大きな特徴でしょう。
エンジンを始動したときのフィーリングは他とは違った個性を持っており、騒音規制の前にもバイクを乗りこなしていた往年のライダーなら、「懐かしい」という感想を覚えるかもしれませんし、そうでなくてもワクワクするエンジンフィーリングが特徴です。

クセのある乗り心地で人を選ぶバイクというイメージが強いメーカーでしたが、時代を経るごとに扱いやすいバイクも増えてきています。

コーナリングが楽しいバイク

創業時はレース用のバイクづくりが主でしたが、経営危機を乗り越えてからはドコドコが心地いいV7エンジンを作り、「乗って楽しい」を重視した独特なモデルの製造にシフトしていきます。
モト・グッツィの特徴として縦置きのV型エンジンが挙げられますが、これがジャイロ効果を弱めるため、通常のバイクとは異なった独特の乗り心地を生んでいます。

バイクでいうジャイロ効果は、簡単にいうと高速回転すればするほど車体の安定性が増します。ただし、コーナリングの時に車体を傾けると、クランクシャフトも傾いてさらに回転数が増してしまい、ジャイロ効果が増してバイクが起き上がろうとしてしまいます。バイクはまっすぐ走ることは得意ですが、曲がるために傾くとジャイロ効果で車体が重く感じてしまうというデメリットがあります。

その点、モト・グッツィだとちょっと傾けるだけでひらりと曲がれるので、倒し込みが軽くコーナリングを楽しめるバイクでもあるんですね。
減速時の安定感はやや弱いですが、それを補うコーナリングの楽しさが味わえるのがモト・グッツィの魅力です。